last update 2012/07/10

       ■  楽曲解説         



HOME WORK HW025
JANコード:4580128281292
2012年5月20日発売
税抜価格 2,400円



1. My Melancholy Baby(涙をふいて)
music Ernie Burnett / lyrics George A. Norton
日本語詞 岸井明
1912年にジョージ・A・ノートンが作詞し、アーニー・バーネットとメイヴィル・ワトソンが作曲した。タイトルのとおりにメランコリックな曲なのだが、ビング・クロスビーなども名唱でも親しまれているが、1976年にはハーパーズ・ビザールがこの曲をカヴァーしている。日本では昭和十二年(1937年)に、ジャズ・ソングの岸井明が「涙をふいて」の題名でこの曲を吹き込んだ。今回のアルバムで使われているのは、この岸井版の歌詞。
2. Yellow Bird
music Luboff Norman / lyrics Bergman Alan
日本語詞 今野英明
もともとはハイチのクレオールによる伝承歌なのだが、二十世紀に入り英語の歌詞が付けられ「イエロー・バード」となった。ミルス・ブラザースによるコーラスや、アーサー・ライマンによるエキゾチック・アレンジなどもあるが、ザ・ヴェンチャーズの演奏でこのメロディを知った方も多いかもしれない。本作では、元ROCKING TIMEの今野英明による訳詞で歌われている。
3. You Might Think
music & lyrics Ric Ocasek
なんとオリジナルは、ザ・カーズの1984年のヒット曲。2011年にはピクサー映画の『カーズ 2』の中で、ウィーザーがカヴァーした事でも話題となった。リック・オケイセクが作り出したこのメロディを、スウィング・チューンにアレンジしたのは天晴れというしかない。もともとがこんな曲だったと錯覚してしまいそうだ。
4. How Am I To Know
music & lyrics Jack King, Dorothy Parker 
日本語詞 福島康之
これも古い曲で、1929年にコンラッド・ネーゲルが主演した映画「ダイナマイト」のために書き下ろされた曲。その後スタンダード・ソングとなり、ローズマリー・クルーニーやビリー・ホリディらによって歌い継がれている。1950年の映画「パンドラ」の中で、女優のエヴァ・ガードナーがピアノの弾き語りで歌ったヴァージョンが印象的だった。福島康之による日本語歌詞も素晴らしく、新たなスタンダードが生まれたと言ってもいいだろう。
5. Please Don't Talk About Me When I'm Gone
music Sam H. Stept / lyrics Sidney Clare
日本語詞 福島康之
軽やかなアコースティック・スライドの調べに乗って始まっていくが、ルイ・アームストロング、ディーン・マーティン、ヘレン・ヒュームズ、ミルス・ブルー・リズム・バンドなどに愛されている名曲だ。一般にはビリー・ホリディの名唱で親しまれているだろうか。ここでも福島の訳詞が曲のニュアンスを見事に捉えている。
6. Mexican Divorce
music & lyrics Bob Hilliard, Burt Bacharach
1962年にバート・バカラックが作曲しドリフターズによって歌われた。しかし、ライ・クーダーのヴァージョン(1974年のアルバム『パラダイス・アンド・ランチ』に収録)で耳馴染んだ方も少なくないことだろう。原題は「メキシコ流離婚」、60年代のメキシコは離婚手続きが簡単で、メキシコに旅行に行き1日で別れてしまったカップルのことが皮肉混じりに歌われている。
7. Sweet Honey Bee
music & lyrics 福島康之
本作『SAME OLD SONG BOOK』の中で唯一のオリジナル曲。作詞作曲は福島康之なのだが、他のカヴァー曲と比べて何の遜色もない見事な名曲だ。バンバンバザールの1999年のアルバム『4』や、バンバンバザールデラックスのDVD『『SELF』VIDEO DE BAN BAN vol.3』などに収録されている。すでにバンバン・ファンにはお馴染みの曲ながら、スウィート・ホリワイアンズとの共演で新たな魅力が出た。
8. I Feel Like Going Home
music & lyrics Charlie Rich 日本語詞 仲井戸麗市
カントリー・シンガーのチャーリー・リッチが1992年のアルバム『ピクチャーズ&ペインティング』の中に吹き込んだ曲に、仲井戸麗市が日本語の歌詞を乗せたもの。仲井戸版はゴスペル・フィールがたっぷりと染みこんでいたが、福島&スウィート・ホリワイアンズのノンシャランとした雰囲気も捨てがたい。甲乙付けがたいヴァージョンが生まれたわけだ。
9. In The Shade Of The Old Apple Tree
(林檎の木の下で)
Music Egbert Van AlstyneWords / lyrics Harry H. Williams 
日本語詞 柏木みのる
この曲もバンバン・ファンにはお馴染みの曲で、福島がバンジョーに持ち替えて歌っていた。1905年に作れた曲で、ハリー・ウィリアムスが作詞し、エドバート・ヴァン・アルスタインが作曲した。ニューヨークのセントラル・パークの、リンゴの木の一本も無い公園を見ながら作ったという面白い逸話が残っている。
10. Home (When shadows fall)
music & lyrics Peter Van Steeden, Jeff Clarkson, Harry Clarkson
2012年にポール・マッカートニーが自身のフェイバリット・ソングばかりを集めて作ったアルバム『キス・オン・ザ・ボトム』の中にも収められていた。戦前から歌い継がれている古い曲で、ミルドレッド・ベイリー、ヘレン・ヒュームズ、ナット・キング・コールなどが録音を残した。1964年には、R&Bシンガーのサム・クックがこの曲をレコーデイングしている。
11. Sometimes I'm Happy
music Vincent Youmans / lyrics by Irving Caesar
「時にはハッピーに、時にはブルーに。それもみんな君次第なんだよ」と陽気に歌われる。スウィート・ホリワイアンズによるコーラスも愉しい。アーヴィング・シーザーとヴィンセント・ユーマンズの二人のソングライター・チームの作品。フォー・フレッシュメン、ベヴァリー・ケリー、ペギー・リーなどがこの曲を歌っている。
12. I'm Following You(ねえ君次第)
music Ballard MacDonald / lyrics Dave Dreyer 
日本語詞 上山雅輔
この曲も「涙をふいて」と同じように岸井明が歌っていた。昭和十一年(1936年)に吹き込まれた曲で、日本語歌詞は劇作家で小説家でもあり、童謡詩人の金子みすゞの弟でもあった上山雅輔によるもの。オリジナルは、ガールズ・コーラスの草分けともいえるダンカン・シスターズが1930年に吹き込んだ曲。昭和初期のジャズ・ソングの時代にはこの曲の人気が高く、川畑文子なども「貴方とならば」のタイトルで別の歌詞で歌っている。
音楽評論家/戦前戦後あちゃらかソング研究家 小川真一


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